悩めるゴルフ狂たちへ No.5

第一部 『 万年ビギナーの理由 』


第四章 球は眼 ( 目 ) で打つショット編


今回お話し致しますスイング理論は、私のゴルフ理論のすべてだと云っても過言ではない重要な部分です。 廻りくどい表現、押し付けがましい説明、乱暴な言葉をお許し下さい。 決して的を外しません。



『 球は眼 ( 目 ) で打つ 』 実践解説


1) 先ずマットを敷いてからティーの手前 5 Cm くらいにプラスチック・ボールを置いて下さい。 スタンスは皆さんの通常スタイルで構いません。

2) 好きなクラブを普段通りにグリップしたら、目線はボールではなくティーの根元を見据えます。 通常のアドレス・スタンス・バック・トップと進みます。

3) そして、ダウン・スイングがインパクト・ウェーに差し掛かった時点で、ティーの根元を見据えていた目線を手前のボールに移し、そのままインパクトからフィニッシュへとクラブを振り抜きます。


球はアドレスに沿って飛び出し、決して右左に曲がることなく狙った地点の近くへ落下します。 力まず滑らかにクラブをスイング軌道上に走らせ、眼で球を打つ時間が長いほどボールは目的方向へ飛んで行く。


( セッティング )


1.普通サイズのゴム・ティーをマットの穴に差し込む

2.マットを横水平 ( 床・壁などの線に沿って ) に敷く

3.ティーから 30 Cm 前方の飛球線上 ( マット中心線延長上 ) にプラスチック・ボールをひとつ置く

4.ティーから 50 Cm ( クラブ先端が触れない距離 ) 後方のバック・スイング軌道上 ( マット中心線延長上 ) に、三角形ペット・ボトルの頂点 ( 栓 ) をティーに向けて設置する


能 書 き ; ペット・ボトルの頂点 ( 栓 ) からティーの左前方に置いたプラスチック・ボールまでの距離を、私の理論ではインパクト・ウェーと呼び、このインパクト・ウェーをクラブ・ヘッドが直線的に走り、眼が球を打ち抜き、クラブ・ヘッドがプラスチック・ボールに迫ることで、理想的スイングの完成と結論づけます。



( スイング軌道の作り方 )


1.クラブを右手で持ちソールでマット中心線に十文字を描く様に、ティーの根元へアドレスする

2.この状態を崩さず、左足右足の順番でマットの中心線と両足爪先が平行になるスタンスを定め、最後に左足爪先を 3,4Cm 開く ( ボールの位置は、左足踵からボール 2,3 ケ分右足よりが最適 )

3.クラブ顔面が変わらない様に注意し、左手でグリップをしっかりと握り、右手グリップを接合させる

4.静かに左手主導でマット中心線に添って、クラブ先端がボトルの頂点を通過するまでバック・スイングを行う

5.先端がボトルの頂点を通過したら、左手首と左肘をほんの少し使ってクラブ顔面を右肩上空に持ち上げる ( フェイスを立てる ) 感覚で、左腕とシャフトがマットの中心線と並行になるまでバック・スイングを続ける

6.左腕とシャフトとマットの中心線が並行になった時点で ( ハーフ・ショットのトップ )、両手グリップと捻じれた肩腰尻の反動回転力でダウン・スイングを開始する

7.クラブ顔面がティーの手前 20 Cm 辺りでティーの根元と正対したら、前方のプラスチック・ボールを左手甲が打ち抜く感覚でクラブを振り抜く ( フォロー・スルー )。 実際にこの時ゴムのティーを振りぬくのは、クラブでも左手甲 ( グリップ ) でもなく、両眼でティーの根元を打ち抜くのです。

8.目線がプラスチック・ボールを確認した時、球は既に何十ヤードも先に飛び去っていますから、特別フィニッシュの動作を意識する必要はない。 インパクト時のヘッド・スピード ( 惰力 ) がクラブを自然にフィニッシュまで導くでしょう。


( アテンション )


A.球を運ぶのはクラブの面ですから、アドレス・グリップ・スタンスを決めてしまってから、何度も足を踏み変えてはいけません。 飛球方向が狂います。 踏み変えてしまったら最初からやり直す癖をつけましょう。

B.左手主導でスイング ( バック・ダウン・インパクト ) する訳ですが、スピードも力も通常ショットの半分で動作する感覚が大切です。

C.球がないのですから、慌てず、力まず、一定のスピードでクラブを振りぬく意識をもちましょう。

スイング軌道の作り方 1.2.3.4. の順番を厳守し、左の肩越しに飛球線を決めるのではなく、あくまでも最初にクラブ面で合わせた方向に対して、スケァー・スタンスを取る癖を付けましょう。



( ポイントと助け舟 )


この動作 ( スイング ) 表現で用いている、ゆっくり振る、半分の力で打つとは、通常ショットを 100 とした場合の半分と云う意味である。 左肩の回転・体重移動・腰の回転は、左腕とシャフトがマットの中心線に対し並行になるまで続け、その捻じれで蓄えられた力を利用し、迷うことなくクラブをリズミカルに振り戻す。

ひと言で表現すると自然体でクラブを振り上げ振り抜くこと。 スイング軌道の作り方 ( 1〜8 ) の順序を身体に浸み込ませ癖にすることがお勧めです。

トップの位置が浅いと思うでしょうが、ハーフ・ショットとしては大きい位です。 このトップ位置を半分にすれば、クォーター・ショットのトップ位置ですし、このトップ位置から 10 Cm 左肩を右に回せば、通常ショットのトップ位置です。 AWで 50 ヤード、PWで 65 ヤード、9 アイアンで 80 ヤードを確実に打てれば大成功です。


「 基本準備動作 」 と 「 球は眼 ( 目 ) で打つ 」 訓練 ( AW・PW・9I ) を、一日 30 回づつ週五日の割合で 3 週間も実行すれば、間違いなくラウンド 100 を切れるでしょう。


ゴルフ狂の大部分が長いクラブを手にすると、 [ 飛ばさなければ ] と感覚的に力んでしまう。 この間違った欲望がミス・ショットを誘発する最初の原因です。 クラブの長さがどうであれ、スイング・スピード、両腕の力、身体の回転スピードなど、すべての動きは何時も一定であることが基本です。

素人の文章ですから読んでいると眠くなるはずです。 文章を複写しコピー片手に手順を実践し、身体に覚え込ませることが効率的訓練方法だと思います。 運動不足の解消法としても最適です。


( 効   能 ) 

正しいスイング軌道の確立、早打ち防止、オーバー・スイングの矯正、ルック・アップ防止、引っかけやプッシュ・アウトなど、あらゆるミス・ショットの原因を治療する万能薬です。

次回はパターによる 「 球は眼( 目 )で打つ 」 お話を致します。