悩めるゴルフ狂たちへ No.2

第一部 『 万年ビギナーの理由 』


第二章 ゴルフの雑学

前回はいきなり無知などと乱暴な表現を用いました。 私がゴルフ・クラブを手にした一年目、クラブを我武者羅に振り続けた二年目を謀らずも思い出してしまったのです。 どうかご容赦ください。

実際のところゴルフ狂の皆様は、ゴルフに対してどれ程の知識 ( 雑学 ) を基に、高価なクラブを購入し、練習に全勢力を注ぎ込み、忙しい時間をやり繰りしてまでゴルフ場に足を運び、一日中ボールに弄ばれた挙句、喧々諤々とゴルフ談義に華を咲かせているのだろうか!?

人間は何かに挑戦する時、誰もが心の何処かで成果を望んでいることは間違いのない事実です。 人情でもありましょう。 然し、良い結果を得るためには、最低限の知識なり、約束事なり、理にかなった練習 ( 訓練 ) なりが伴うことも、また偽りのない事実であります。


自動車を動かす場合を想定して見ましょう。

先ずはドアーを開けて座席に着き、左手をハンドルに置き右手でキーを差し込む。そしてエンジンを掛けますよね! 右足で軽くアクセル・ペタルを踏みアイドリング具合を試し、次にブレーキ・ペタルを 2,3 回ふんで遊びを確かめ、左右のミラーとバック・ミラーで車周辺の安全を確認し、どちらかへ方向指示器を動かし、手動ブレーキを解除しながらゆっくりアクセルを踏み込んでスタートさせる。


こうした一連の動作は、どれひとつ欠くことも許されないと同時に、この一連の工程を、如何にそつなく自然体で軽やかに熟すかで運転技能の優劣は決まる。 然し、何も間違えずに作業を終え始動させたとしても、事故に遭遇しないと云う保証は何処にもない。


賢明なるゴルフ狂たちは既にお気づきの様に、ゴルフのプレーに置いても、この一連の無駄のない自然体で軽やかな動作、操作、作業を要求されるが、すべてが上手にできても好スコアーを保障される訳ではありません。

この時点で言える事は、この動作、操作、作業を身体に染み込ませる事によって、密かに望んでいる成果への僅かな光らしきものが見えるだけです。

ゴルフは云うにおよばず道具を使って球を打つ競技は、野球であれテニスもしかり、この一連のそつのないスムースで軽やかな動作・操作・作業などの源は、すべて道具で球を打つ事にあらず、ましてや身体の一部分の力に頼ってボールをぶっ飛ばす競技ではないのです。

特にゴルフ・プレーの場合は静止球を飛ばすわけですから、球を両眼で打つ意識からはじまって、無駄のない自然体で軽やかな動作・操作・作業を進め、両眼で球を打ち抜き、球が目線から消えた時点でその動作の終結をむかえる。

よって球は道具で打つのでもなければ、我武者羅に腕力に頼って叩くのでもなく、球は両眼で打ち抜くことが正しい。
『 ゴルフの球は両眼( 目 )で打ち抜く 』、これが第一章の正解です。